792名無しさん:2008/12/31(水) 05:36:46
マイティ祐希子 vs 寿零

祐希子「う〜ん……。やっぱりねぇ…。」
目の前にいるのは寿零。その身体から溢れるものは怒りと殺気。
祐希子は菊池の勝利を喜びながらも、零の復讐の炎に気付いていた。
零はこの団体には初めて殴りこんできた相手であり、完全なアウェーであるはずだ。
しかし、一直線に祐希子を見据える零は怒りに満ちて周りが見えていない。
小鳩を運び、医務室へ運んだこの選手がどういう選手なのか…。
理沙子から多少の情報を受け取っているが、はっきり言って何もわかっていない。

 寿零についての情報は何もないこと。
 特に小鳩は、断片的に情報が残る程度の都市伝説となっているギルティ美鷹の娘の可能性があること。
 その小鳩と連れ立っている寿零もおそらく実力者であると思われること。

そして今わかったこと。
 零のスタイルが総合格闘技に近いと思われること。
 零の怒りがMAXであること。

つまり、何の情報もない相手が怒りに任せて襲い掛かってくる。
勝つことは難しいまでも、ある程度試合を作ることが出来るだろうと思って送り出した菊池は、
予想に反して勝利を奪い小鳩を沈めた。 終わってみれば文句のつけようもない大勝だった。
あれだけの大勝を奪い小鳩が負けたことは良い意味で誤算だったが、
トータルとしてマイナスだったことは容易に想像がつく。

零  「…………覚悟…して、ね。」
祐希子「まぁ…どっちにしても、負けるわけには行かないし。 かかってらっしゃい!」

零は総合格闘技に近いスタイルというより、ボクシングスタイルに特化していた。
少し身体を丸めてガードを固めつつ、祐希子の動きに合わせて掌底を放つ。
典型的なインファイターと言って良いだろう。
飛び技を得意とし、普段は離れた間合いを得意としている祐希子だが積極的に距離を詰めていく。
零の掌打が祐希子の頬を張り、顎を弾く。
しかし祐希子も負けじと零の胸板へ何度もエルボーを叩き込む。
最後に強烈なエルボーを顎先に叩き込み仰け反らせ、その隙に背後に回りこむ祐希子。
しかし背後の祐希子にエルボーを打ち、強引に引き剥がされてしまう。
すぐさま向き直った零に組み付いて零の動きを抑えたあと、ボディスラムを狙って手を伸ばす。
ドボッ!!
祐希子「ぐうぅふっっ!!」
手を伸ばして身体を密着させた瞬間、零のボディブローが祐希子の腹に埋まる。
顔をゆがめる祐希子だが、そのまま零を抱えあげてボディスラム!
さらに立ち上がりにあわせてラリアット。
すぐに立ち上がった零。祐希子は手四つに組んで零の攻撃を防ぎつつ力の差を見せようとするが、
零が手を離したかと思うと強烈なローキック!祐希子の左足を強烈に打ち付ける。
零  「遊ぶ…つもりは無い、よ」
祐希子「そう?じゃあこっちも遊びは無しね。」
祐希子は一歩踏み込んで延髄斬り!これを境に祐希子は得意の飛び技に切り替える。
そのとたん、ここまで祐希子と渡り合っていたかのように見えた零の勢いが止まってしまう。
零は祐希子の華麗な飛び技に翻弄され、それを止めることが出来ない。
ペースを握った祐希子は、時々間合いを詰めて投げ技も織り交ぜながら確実に零にダメージを与えていく。
対して零は、周りを走り回る祐希子に向き直っては掌打を放つという単発の攻撃に終始する。
祐希子のすばやい動きに対応できない零は、ほとんど有効打を与えることが出来ないまま、祐希子の攻撃を浴び続ける。
零のねらいは、祐希子の動きを止めてコーナーに追い詰め、自分の得意な近距離戦に持ち込むこと。
コーナーに追い詰めることさえ出来れば、その顔、その胸、その腹に集中打を叩き込み、
地獄のコーナーから逃げ出すことを許さないまま圧殺できる自信がある。
しかし素早い祐希子を追い詰めることは不可能に近かった。
気が付けば祐希子のワンサイドゲームになっていて、零の顔には強い疲労が浮かんでいた。

793名無しさん:2008/12/31(水) 05:37:50
祐希子「なーにそんなにイライラしてるの? あの子が菊池にやられたのが不満なのはわかるけど、
    自分たちが殴りこんできたってこと忘れないでほしいわね。
    自分たちが仕掛けてきたケンカなんだから、返り討ちに遭うときはああなっても仕方ないのよ。
    ……今度はちゃんと話を通してから来なさい。そしたら今度はこんな目には遭わないわ。」
祐希子の勝利は間違いなかった。この言葉は同じく殴りこんできた零に対して小鳩と同じ仕打ちをするという宣言であり、
同時にリベンジを待っているというメッセージ。
零  「そう…だよね…。 今度があればそうする。…でも仕返しは、する。」
しかし零はそれを聞いて意外なまでに冷静なっていた。
零は姉と連れ立って海外でいろんな団体に殴り込みをかけ、沢山の選手をリングに沈めてきた。
殴りこまれた側の必死の抵抗も、怒りの顔も何度も目の当たりにしてきた。
返り討ちに遭った時どんな目に遭うかなど、零には最初からわかっていたはずだった。
小鳩がやられたことで冷静さを失ってしまったが、この言葉で冷静さを取り戻した。

零の首に飛びつき、ヘッドシザーズホイップで投げ飛ばす祐希子。
そしてすぐさまコーナーに駆け上がり、観客に両手を上げてアピールする。
祐希子「あんたたち、誰に歯向かったかその身体で思い知るといいわ! くらええぇっ!!」
小鳩は撃退済み。零も今これからトドメを刺す。完全勝利の宣言だった。
祐希子のムーンサルトプレスが空高く舞い上がり、リングに倒れた零の身体を的確に捉える!!
零  「っっううぐうぅぅぅっ!!!!」
物静かな零の口から断末魔の悲鳴があがる。
終わってみれば祐希子の圧勝だった。
観客が納得できるような魅せる試合を出来なかったのは心残りではあるが、
言い換えれば零はそれだけ油断できない相手だったのだから仕方がない。

1……!! 2…………!!! ……ス……っ…っ!!

そう、仕方がない。 この相手は祐希子の必殺技を浴びても2.9で返せる相手なのだから。

零  「……仕返し…するって、言った、はず」
目の前で酷い仕打ちを受けて散った小鳩のかたきをとらなければ、零もみすみす3カウント取られているわけにも行かない。
いつしか零に付きまとうようになった長い悲劇から救ってくれたのは小鳩である。
今ここで恩返しをしなくて、いつ恩返しが出来ると言うのだ。
小鳩に対する想いが絶体絶命のピンチに陥った身体を跳ね上げた。
零  「私…負け……ないっ!!」
祐希子が驚きながら立ち上がり、間髪いれず零が立ち上がる。 祐希子は目の前!この間合いは零の距離。
すぐさま零のローキックが祐希子の左膝を内側から強烈に打ち抜く!
バシィッ!!
左膝に痺れるような激痛が打ち込まれ、その勢いでバランスを崩す祐希子。
ローキックのダメージは大して問題ではない。問題なのは零との距離が詰まっている状況でバランスを崩されたこと。
バランスを立て直そうとする祐希子の左腿に再び強烈なローキック!!
バシィィッ!!
簡単にローキックの餌食になる祐希子。バランスを立て直す前に再度左脚が打ち抜かれた。
ここまでほぼ一方的に祐希子の攻撃を浴びた零にとっては初めて訪れたチャンス。
寿は一気に畳み掛けるため、さらにローキックを放つ!
しかし祐希子が一歩後退してそれをかわす。
零  「これで…終わり…だ、よ!」
零の脚は祐希子の目の前で着地。それはローキックではなく踏み込みだった。
祐希子は避けるのではなく、むしろ受け流すべきだった。なぜなら…
ビュゥッ!!!グシャッ…!!!
祐希子「ィギァ…っ!?」
なぜなら……一歩下がったその位置は零の必殺技、サイレントナックルの間合い。
ローキックを避けようと、視線を落とした祐希子の視界の外から、零の拳が光の速さで祐希子の側頭部を打ち抜いた!
頭から打ち抜かれた祐希子は、身体をまっすぐに伸ばしながら弾き飛ばされ、ゴム人形のようにリングに倒れた。

794名無しさん:2008/12/31(水) 05:39:03
ぼんやりとした意識の中で目に入ってきたのは零の両脚、そしてリングに飛び散った汗。四方に伸びた自らの長い髪。
菊池 「祐希子さああぁぁんっ!! 立って!! 立ち上がって!!」
そして菊池の叫び声が響く。
何が起こったのか全く理解できない祐希子。
菊池の悲痛な叫びと観客の悲鳴の様子から、しばらくこの状態で倒れていたらしいことが想像できる。
しかし試合が続いているので、そう長い時間は経過していないのだろう。
自分が倒れていることだけはわかるが、視界がグラグラと揺れて平衡感覚が奪われている。
手先と両足をガクガクと揺らしながら身体を起こし四つんばいになる祐希子。
しかしそこから動けない。

側頭部にガンガンと激しい痛みが残されている。
側頭部にいつどんな攻撃をされたのかわからない。ローキックをかわした直後だからハイキックではないだろう。
しかし零の身体の回転具合から、フックを浴びたわけではない…?もしくは記憶が飛ばされてしまったのか。
祐希子にとってこのダウンは予想外。しかもその原因がわからない。

とにかく立ち上がらなければならない。
四つんばいの状態からようやく身体を起こし、歯を食いしばりながら両膝に両手を置いて支えながら立ち上がる。
平衡感覚を失い、上半身を前後左右にグラグラと揺らしながら両足を震わせる祐希子は風が吹いただけでも倒れそうだ。
祐希子「なかなかいいの隠してんじゃないの…。
    ……でも所詮奇襲は奇襲よ。 そんなのが2度も3度も通用するとは思わないことね」
実際は何が起きたのかわかっていない。何に警戒すれば良いのかわからない。
しかし祐希子は立ち上がる。殴りこまれた自分が負けるわけには行かない。
菊池が頑張って小鳩を退けたのに、自分が負けるわけには行かないのだから。
両手を膝から離し、いまだ身体を左右に振りながらもファイティングポーズをとる祐希子。
零  「別に奇襲、じゃ…ないし。 2度目なんかいらない…よね。」
零が1歩2歩と祐希子との距離を詰め、
零  「小鳩ちゃんの…お返しだ、よ。」
なんとかファイティングポーズをとるだけになってしまっている祐希子のわき腹めがけて放たれる零のミドルキック!
ドボオオッ!!
祐希子「っふぐおおおおぉぉぉぉっっ!!」
無防備な右わき腹から深く抉りこまれたミドルキックが、祐希子の肝臓を打ち抜き内臓全体を揺るがす。
祐希子の身体が真っ二つに折れ、再びリングに薙ぎ倒される。
リングに横たわる祐希子は、脇腹を襲う逃れることの出来ない苦痛と苦しみに支配され、リングをゆっくりとのたうつ。
祐希子「ぅうぐ……うげええぇ……」
祐希子の口から唾液がだらだらと溢れ、リングに水溜りを作り上げていく。
菊池 「祐希子さあぁあぁんっ!!」
菊池の声が耳に届く。 しかし身体の中心を激しく叩き潰された身体では、立ち上がることはできない。
うつ伏せの体勢で両手で腹を抱え、両脚を左右に伸ばして空を蹴り、身体を折り曲げたままだらしなく涎を垂らしながら、
そのダメージが身体に一番苦しみを与えない体勢を探すように悶えることしか出来ない祐希子。
それは観客の目の前で、団体トップレスラーが殴りこんできた相手に倒され、リングをのたうち回るあってはならない姿だった。

795名無しさん:2008/12/31(水) 05:40:42
零はリングの下にいる菊池を睨み、
零  「これは…"小鳩ちゃんの"お・か・え・し。…だよ」
呻き声をあげるだけで動けない祐希子を無理やり引き起こす零。
目の前で大切な人が苦しんでいるのに何もできないもどかしさ。それは1試合前に零が味わった無念。
菊池 「もうやめて!! 祐希子さんもう動けないよ!! もういいって!! あなたの勝ちでいいからもうやめて!!」
零は祐希子の首根っこを抱え込んで固定すると、そのまま真上に引き上げる。
祐希子が動けないことは、身体を交えている零のほうがわかっている。しかし、菊池がしたことはこういうことなのだ。
ブレーンバスターのように高く抱え上げた祐希子を…そのまま真下に落とす垂直落下。
大技中の大技、SSDが瀕死の祐希子の身体に牙を剥く!!
グシャア!!
祐希子「ギャフ…!」
先ほど無防備な身体に、必要のないトドメを刺され息の根を止められた小鳩。
その追撃の代償は目の前の祐希子に跳ね返り、そのとき零が味わった無念は菊池自身に打ち付けられる。
脳天からマットに突き刺さった祐希子は、その衝撃で白目を剥き、口から泡を吹きながら大の字に倒れこむ。
菊池がリングの脇で崩れ落ちていくのを冷ややかに見つめた零は、その後ゆっくりと祐希子の身体を押さえ込む。

1……!! 2…………!!! ……3ーーーーーーーーーっっ!!!

終始零を攻め込み続け、ほぼ無傷で試合を運んだ祐希子だったが、
最後の最後で自らの必殺技を返された祐希子は、実質ただの3発で沈んだ。
数で言えばたった3発。だが、この3発は祐希子を葬るに足る強烈な威力を持っている。
祐希子はそのまま担架で運ばれ、病院へと消えた。
頭部と内臓に大ダメージを受けた祐希子は検査入院。次回興行の欠場を余儀なくされる。

零  「……さあ…。もうひと暴れ…する。よ。」
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