797名無しさん:2008/12/31(水) 19:00:30
殴り込んできた寿零を迎え撃ったエース祐希子が敗れ、戦列から脱落した。
零は次の興行にも参加すると宣言している。
エースが敗れた今、殴り込みの相手に2度も敗れるような醜態を晒すわけには行かない。
次の興行で誰が試合をするのか団体内で話し合われ、武藤に決まった。
最初に武藤か結城の2名に絞られ、投げ技で接近戦を強いられる結城よりも武藤の方が危険は少ないはずだ。


武藤めぐみ vs 寿零

武藤は零から距離を取っていた。
普段ならいろいろな技も織り交ぜながら戦う武藤だが、今日は何より勝利が優先される。
良い試合では意味が無い。引き分けでも意味が無い。
零が祐希子から鮮烈な勝利を奪ったおかげで、会場には零を応援する声も少なからず聞こえる。
あの日の新聞は惨憺たるものだった。

負けるわけには行かない。

零は祐希子の飛び技に攻めあぐねていた。
当然、武藤は祐希子と同様にリングを広く使った飛び技で攻める。
やはり零は上手く対応できないまま攻撃を浴びてしまう。
武藤もスピードと飛び技だけなら祐希子と同等。いや、今や既にむしろ上回っている印象だ。
遠い位置から飛び上がり、高いジャンプ力を生かした飛び技は徐々に威力を上げていき、
それを防ぎきれない零がダウンを奪われる頻度が高くなってくる。

武藤「どうしたの? わたしは祐希子さんと違ってそっちに付き合うつもりはないわよ?」
零 「………大丈夫。」
武藤「何が。」
零 「………まだ。これから。 ……勝つ。」

少しムッとしたが、武藤は今日ばかりはスタイルを崩さない。
なぜなら零のペースにあわせたら一発の危険性があるのがわかっているからだ。
零の攻撃はほとんど当たっていないが、そのキレの良さは同じリングに上がっていればすぐにわかる。

そもそも祐希子は不用意に零に近づきすぎた。だからあんなみっともない姿を晒してしまった。
相手の土俵で試合をするのであれば打撃に徹するべきだし、そうでないなら最初からリスクのある攻撃をするべきではない。
武藤は祐希子に対する不信を募らせていた。
武藤は零めがけてダッシュし、1歩前で高く飛び上がり、ジャンピングニーパッドで零の顎を下から打ち上げる。
武藤の膝に顎を打ち上げられ、身体を仰け反らせながらリングに倒れる零。
頭を振りながら立ち上がろうとするが、武藤が既にすぐそこまで走りこんでいる。

ゴッ!!
零 「げぁ!」

武藤の左足が零の脚に乗ったかと思うと、武藤のシャイニングウィザードに側頭部が打ち抜かれる!
頭部に強烈な連打を浴びて頭を抱えてリングに倒れている零。
それを見てコーナーを上って向き直り、高く飛び上がってのフライングボディプレス!
頭を抱えていた零だが、なんとかギリギリでそれを避け、武藤自身の身体がリングに叩き付けられてしまう。
武藤を避けて素早く立ち上がった零は、リングに落下した武藤の身体めがけてローキック!
武藤「ぐっ!」
すぐにリングを転がり、距離を取る武藤。そしてそれを追いかける零。
武藤の立ち上がり際に追いつき、掌打!掌打!この試合、初めての近距離戦。
零にとっては決定的なチャンス。武藤にとっては初めてのピンチ。
零はまっすぐに拳を放ち、武藤は決定打を浴びないよう拳を避ける。
後退しながら拳を避ける武藤が、零の腕を絡め取って脇固めを仕掛ける。
が、かまわず次の手を放つ零の掌打に顔面を打たれ、引き剥がされる。
顔面を打たれ、仰け反った武藤が体勢を立て直す間に零が腕を大きく引き、体重の載ったナックルパートを放つ!
武藤「っくぅっ!」
しかし間一髪で避けた武藤は、その場で身体を捻って体勢を崩しながらのローリングソバット。
零  「がうっ!!」
この状況で反撃してくる武藤のローリングソバットに捕らえられた零の胸板。
コレまでのダメージと相まって踏んばりきれずに後ろに転がる零。
武藤との距離が離れてしまい、ようやく手に入れたチャンスを逃してしまった零。だがその程度では武藤は脚を止めない。
倒れた零めがけて飛び上がり、空中で前方回転しながら背中を落とすセントーン!

798名無しさん:2008/12/31(水) 19:02:15
零の身体を押しつぶすと、すぐに立ち上がって再びコーナーに駆け上がる。
今のソバットで踏ん張りきれずに倒れた零の姿を見るに、零のダメージはやはり大きい。
それに対して自分自身は有効打という有効打を受けていない。
ある意味では、深追いするよりも今決めてしまうのが一番安全に勝利を収めることができる。

セントーンで押しつぶされ、立ち上がるまでに数秒かかっている零めがけて、コーナー上から武藤の身体が宙に舞う。
コーナー上でアピールもせず、ただ素早く、ただ高く、そして美しいムーンサルトプレスが零の身体に炸裂した。
零  「っふぐぅぅあぁああっ!!!」
そのまま零を押さえ込む。

1……!! 2…………!!!

しかし2.5で返す零。
武藤「やっぱり早いか」
小鳩の仕返しと称して、祐希子に必要以上のダメージを与えた零に対し、
祐希子の代名詞ともいえるムーンサルトプレスで3カウントを奪えるかと思った武藤だったが、
零は祐希子のムーンサルトプレスを耐え切った相手。まだ早かったというのは正直な感想だ。
これで決まるなんて最初から思っていない。
武藤が立ち上がるとすぐに零も立ち上がる。
近い間合い。それならもちろん…
零 「シュゥッ!」
零はすぐにナックルパートを放つ。
武藤「そっちがそう来ることくらいお見通しなのよ!」
軽くかわしてその腕を掴むと、対角コーナーに零を投げ飛ばす。
対角コーナーにぶつかる瞬間に向き直り、背中から叩き付けられる零。
武藤「このリングに上がったこと、後悔させてあげる! もう逃がさない!!」
武藤がダッシュし、コーナーにもたれかかって逃げ場の無い零の胸元めがけて必殺のフライングニールキック!
高い跳躍力はもとより、全身をのバネを使って生み出される回転力を
その長い脚で威力が倍加させる武藤の必殺技が零の胸板を貫いた。
零 「があはっ!!」
零の肺から空気を吐き出しながら呻き声をあげる零。
武藤はすぐに追い討ちを与えようと立ち上がる。
しかし、立ち上がった武藤の首に零の両手が伸び、がっしりと首を捕らえる。
祐希子戦も含めて零が組みに来るのは初めてで、武藤の頭が零の胸元に引き寄せられ、武藤の腹めがけて膝蹴り!
ドボッ!!
武藤「っぐうううっ!?」
武藤の腹に零の膝がめり込み、武藤の口から呻き声が漏れる。
さらに膝蹴り!膝蹴り!膝蹴り!膝蹴り!膝蹴り!
武藤「ぐぐぅぅ!!っぐえっ!! っんぎぁ!! ぐうぅおっ!!」
零の非情な膝が腹、腹、顔面、腹と叩き込まれるたび、武藤の身体が浮き上がり呻き声が響く。
そしてその間に武藤の身体を押し返し、立ち位置を入れ替えてしまう。
武藤「っぃがああ!! っぎゃう!! っげうぅ!! っうぐぅああっ!! っぐげえぇ!!」
顔面、顔面、腹、腹、腹!!
いつのまにか逆にコーナーに押し込まれ、膝地獄に嵌められた武藤の声は悲鳴に変わっていた。
なんとか膝を両手でガードし、零のわき腹へ掌底を叩き込んだあと両手で零の身体を押して引き剥がす武藤。
武藤の口は涎で汚れ、引き剥がされた零の胸元に涎の糸を伸ばし、すぐに切れて落ちる。
零 「リングに上がったこと。後悔させる? もう逃がさない。よ。」

799名無しさん:2008/12/31(水) 19:04:37
腹を抱える武藤。後ろはコーナーポスト。左右にはロープ。逃げ場は無い。
逃げ場の無い武藤めがけて、零は全身をフルに使ったミドルキックを放つ!
ドスゥゥッ!!!
武藤「っふうごおおぉぉっ!!」
強烈な膝蹴りを浴びた直後、腹筋に力を入れられない状態の武藤の左わき腹が、
零の全体重の乗った鋭く重たいミドルキックが、深く強烈に抉りこまれる。
武藤は倒れないようにロープを掴もうと一瞬手を伸ばしたが、途中でやめて腹を抱えながら崩れ落ちた。
武藤「ううぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……うぅげええええぇぇ………」
うつ伏せになり、武藤の口からダラダラと溢れる涎、両手で腹を抱えて両足で空を踏みながら全身を捩る武藤。
数日前の祐希子の試合の悪夢が再びリングに繰り広げられた。
武藤「うぐぅ……うげえええええぇ……っ!! げぼぉ……っげぼぁ…げは…」
全身をリングに沈めたまま、逆流に抗えず胃液混じりのゲロを吐く武藤。
このミドルキックを受けた武藤が動けないことを、零はわかっている。
それだけの威力を持っていることは自分が一番知っている。

零は動けなくなっている武藤を引き起こし、両手をロープに絡めてコーナーにもたれさせる。
まだ動ける状態ではない武藤は、両足を大きく揺らしながら顎を上ずらせたまま荒い息を吐きながらもたれかかっている。
零 「こんどは…こっち。」
武藤の右わき腹を指差し、零は静かにそうつぶやいて今からそこにミドルキックを打つという宣言をした。
武藤「っ!! ふざけ…っ!」
防げるものなら防いでみろ。避けられるものなら避けてみろ。武藤にはできない。そう言われているのと同じだ。
零は一歩下がってファイティングポーズをとったかと思うと、再び全体重の乗った重いミドルキックが放たれ、
同時に武藤はそれを防ぐために、肘を下ろしてわき腹をガードする。
零のミドルキックは武藤のガードをものともせず打ち破り、右わき腹を打ち抜いた。
武藤「っぃぐぇえええぇぇっ!!!」
ミドルキックをガードした腕もろとも打ち抜かれ、その肘が自らのわき腹を突き刺すように抉り、
武藤が地獄の苦しみに満ちた悲鳴をあげ、腹のそこから搾り出す。
武藤「っげべお……ぐぶぅ……おおげええぇぇっ!!! っげぇうっ!! っげぼおおぉぉっ!!」
再び胃液からこみ上げてくる物を抑えられず嘔吐し始め、それは自身の水着を汚しながらリングに流れ落ちる。
両足を引き絞って内股にしながらもたれかかったコーナーだけでは身体を支えきれずにズルズルとリングに崩れ落ちていく武藤。
1発目を左わき腹に、2発目を右わき腹に浴びた武藤は、再び両手で腹を抱えてリングをのた打ち回る。
武藤「ぇ………げ………げぅ……………ぉ………」
内臓に激しいダメージを受け、両手を腹から移動させることができず、呼吸もままならない武藤。
零 「…次は、前。から? それとも…もうおわりに…?してほしい?」
リングに突っ伏したまま零を見上げる武藤。
零のキックはガードしても止めることはできない。
左から右から深く抉られた身体は、まさに地獄と呼ぶにふさわしい苦しみに悲鳴を上げている。
その上、もう一度前から…? 耐えられないのは確実だ。今度こそ自分の肉体が破壊される。
すでに自らの意思で動ける状態ではない武藤には、もう対抗する手段がない。
武藤は屈辱を飲み込む以外に残された道はなかった。
エースが敗れ、もう1度足りとて負けられない相手に、自分はかなわないという宣言。
……いや、そんなかっこいいものではなく、ただもう二度とそのキックを受けたくないという一心だったかもしれない。
零の問いにただ静かにうなずき、自らの敗北を認めた。

エース祐希子に続き、次期エースの筆頭として名をあげていた武藤も打ち崩された。
残るカードは次期エースの2番手と言われる結城。だが投げ技を得意とする結城では零を相手にするのは困難だ。
事実上、手札は1枚も残されていなかった。
殴りこんできた零というたった一名の選手に、全面敗北を喫した団体内に巻き起こるエース祐希子に対する信頼の失墜、
次期エース武藤に対する信頼の失墜、そして試合をする前から勝ち目がないとみなされた結城に対する信頼の失墜。
ハプニングがらみで大幅増加した興行収入に喜ぶ経営陣に対する信頼の失墜。
これまで祐希子という太い大黒柱一本に支えられてきた屋台骨が、みるみるうちに音を立てて崩れていった。

800名無しさん:2008/12/31(水) 19:10:10
小鳩「…これであの団体はガタガタ。全部予定通りね。
   エースを信じられなくなったらあとは勝手に崩壊していくわ。」
零 「う…うん。……そ…そんなことより……ケガ…大、丈夫…?」
小鳩「どうして? 小鳩、ケガなんてしてないわよ?」
零 「え…だって……。」
小鳩「零ちゃん、いつも手加減しちゃうんだもの。
   やさしいのはいいことだけど… 小鳩ね、やるときはやらないといけないと思うの。」
零 「手加減…なんてしない、よ。」
小鳩「零ちゃん、小鳩が勝ってたら、あんな試合した?」
零 「え…。えーと…。 …じゃあ…1試合、目…は? だって…あんなに。」
小鳩「ごめんね零ちゃん。 小鳩、騙すつもりじゃなかったのよ。
   でも零ちゃんに本気を出してもらうために必要だったの。
   小鳩、あの時が一番危なかったのよ? 零ちゃんがかわいすぎて慰めそうになっちゃったわ。
   せっかくの計画が失敗しちゃうから我慢したの。えらいでしょ。」
零 「ひ…酷い。 祐希子さん…ケガさせ…ちゃった。」
小鳩「ごめんね零ちゃん。
   でも祐希子ちゃんも危ないケガはしていないから安心して。来週には試合に出られるわ。
   それでも謝りたいっていうなら、零ちゃんが望むなら、今からお見舞いに行こうかしら?」
零 「……小鳩、ちゃん…。 ……行く。」
小鳩「うん。 これで全部予定通り、ね。 いひ☆」

1本1本は少し細くとも、1本が残りの1本のことを全力で支えあう2本の柱。
1本がかけても残った1本は耐え切れずに崩れるのではなく、2本分の力を発揮して支えることができる。
小鳩と零は二人で一つ。一人が欠けても二人で一つ。いつまでも崩れることは無い。
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