109 :名無しさん:2009/09/20(日) 06:50:46 ID:???
村上姉vs橘みずき 3レス分ぐらい予定
シングルマッチなんだ、ゴメンネ


 サキュバス真鍋がジャーマン葬にされてから数日後。
 ベビー軍ヒール軍の抗争劇は過激さを増し続けていた。
 そんな中で組まれたシングルマッチ。
 青コーナーにもたれかかった村上千春は、胸のざわめきを抑えらずにいた。
 千春は手の中に握られた紙切れをくしゃりと握りつぶすと、リング下に投げ捨てる。
『妹はベビー軍が保護しています
 今日の試合ですが、橘さんの言う通りに動いてください
 もし約束を守らなかったなら、ご想像通りの事になります』
 試合前のリングでベビー軍リーダーの草薙みことから渡された手紙が、
千春の頭の中をグルグルと駆け回る。
 事実上の無抵抗要請である。

 千春の対戦相手、橘みずきはつかつかと千春に近づくとその顔に張り手を入れた。
「このやろっ」
 橘は両手をひらひらとさせてロックアップを要求。
 殴り返したい気持ちを抑えながら千春はロックアップするしかなかった。
 千春はロックアップしながら、どすの聞いた声で橘に話しかける。
「橘……あの手紙本当なんだろうな」
「さあ? 別に私をぶちのめしてもいいですけど、でも本当だったら?」
 意地悪な笑みを浮かべながら橘がロックアップを切ると、アームドラッグで千春を投げ捨てる。
「本当だったら……あなたを壊しちゃう代わりに千秋のこと壊しちゃいますよ」

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 一方、村上千春の妹、村上千秋は控え室で吠えていた。
「てめ、早瀬っ。 分かってんだろな」
 どすの聞いた声でわめきまくる村上千秋。
 その横には、困ったような顔でおろおろするベビー軍の中堅レスラー、ドルフィン早瀬。
 千秋はパイプ椅子に縛られたままでリングが映されたモニターを見ると、
そこにはサンドバッグ状態の自分の姉が映されている。
 コーナーに追い詰められ、串刺しソバットを何発も叩き込まれているかと思えば、
えげつない角度の脇固めでは何も出来ずに悲鳴を上げている。
 姉が自分のためにただ嬲られていると思うと、千秋はたまらずにモニターから目をそらした。

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 橘のソバットが千春のわき腹に食い込む。
 カカトが鋭角で突き刺さった千春は堪えきれずヒザをついた。
 橘はそんな千春の顔を靴底で蹴飛ばすと、ロープに向かって指差す。
(ロープに飛べって事かよ)
 千春は拒否することも出来ずに、全力でロープに向かって走り出した。
 そのままロープの反動をつけて、橘に向かって突っ込む。
 待ち受けていたのは橘のソバットであった。
 背筋が凍りつくような激痛が全身を駆け巡り、千春の全身から冷や汗が吹き出る。
「ぐ……ぐあぅ」
 肋骨がいってしまったのか、息をするたびにずきずきと痛むわき腹を押さえながら、
千春はリングの上をのた打ち回る。
「あはっ、も一回行こうか」
 橘はそんな千春のわき腹をつま先で小突くと、再びロープを指差す。

110 :名無しさん:2009/09/20(日) 06:52:15 ID:???
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「おい、早瀬」
 千秋の声に肩をびくつかせる早瀬。
「なんだよ……お前にも兄弟いるんだろ」
「……うん」
「弟だか妹だかわかんねーけどよ、もし……もしお前も今の姉貴と同じ立場だったら」
 顔を伏せたままの早瀬の肩がふるふると震えていた。
 早瀬は自分が今している事に耐え切れず、自然と涙がこぼれているのに気付く。
「泣いてるぐらいなら、さっさとロープほどけよ……」
「……ごめんなさい、千秋ちゃん」
 重苦しい空気の控え室の中、モニターからこぼれる雑音だけがむなしく響いていた。

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 コーナーにもたれかかったまま、千春はぜえぜえと息を切らす。
 その度に青黒く晴れ上がったわき腹の鈍痛は激しさを増していた。
 千春はリング上、体育館の天井を見つめながら妹のことを考える。
(……クソが)
 不思議と痛みが引いていくような気がして、再びリング中央に目を向けた。
 そこで千春が見たのは、こちらへと駆けてくる橘の姿だった。
 コーナー際、もたれかかった千春に向かって橘が助走をつけて飛び込む。
 串刺し式のニールキックが千春の顔面を捉えた。
 勢い余って橘の体がトップロープを越えてしまうほどの強烈な一撃。
 橘のリングシューズが擦るように当たり、千春の目じりをざっくりと切り裂く。
 ぱっくりと開いた傷口からこぼれ落ちる血液の熱さに、
千春は無意識に手のひらで傷口を押さえる。
 今まで何度も流血戦を制してきたヒールレスラーでも、
本能的に恐怖を感じるほどの傷が指先で確認できた。
「あはっ、ちょっと外れてたら失明してたかもしれないですね」
 リング下から転がるようにリングインした橘が、悪気もないように話しかける。
「……てめっ」
 千春は橘に向かって一歩、二歩と近づくが、足がもつれてリング上に顔から突っ込んでいた。

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「おい姉貴、ウソだろ……」
 小さいモニターでもすぐ判るほどの流血。
 滴り落ちた鮮血は、やがてどくどくと流れ落ちてマットを真っ赤に染め上げていく。
 わずか数十秒の間にリング上に現れた血の海地獄のど真ん中。
 そこに自分の姉が大の字で倒れているのが信じられず、千秋はポツリと呟いた。
 一緒にモニターを見ていたベビー軍早瀬も、あまりの惨劇に言葉を失う。
「おい、すぐにほどけよ早瀬、はやせえええええええっ」
 控え室の隅で怯える早瀬に向かって千秋は吠えていた。
 ロープでぐるぐる巻きにされたまま、パイプ椅子をがたがたと揺らす。
 勢い余ってパイプ椅子ごと顔を床に打ちつけ、それでも首だけを早瀬のほうに向けて罵りまくった。
「ぅうっ、千秋ちゃんごめんなさい千秋ちゃんごめんなさい」
 全身を拘束され無防備の千秋だといえ、その剣幕に震えるだけの早瀬。
「すぐにほどけって言ってんだろ!! この貧乏イルカ!!」
 らちがあかない苛立ちに、千秋は顔をしかめながら歯軋りをする。

111 :名無しさん:2009/09/20(日) 06:53:24 ID:???
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 一方、リング上は最終局面。
 大の字に転がる千春のわき腹を、橘が無慈悲に蹴飛ばす。
 橘は痛みに顔をしかめる千春に向かって、くいくいと手招き。
(もう立ち上がる体力もねーよ)
 失血で頭がくらくらする千春は、そんな橘を見て苦笑した。
 橘はそんな千春に冷たい視線を突き刺すと、もう一度わき腹を蹴飛ばす。
「ねぇ、千秋がどうなってもいいんだ」
 橘は真っ赤に染まった千春の顔を靴底でぐりぐりと踏みつけながら呟く。
「いいわけねえだろ……このヒーロー気取りが」
 満身創痍の千春は、それでも痛む身体をこらえて立ち上がる。
 脚に力が入らず、前のめりに倒れ血まみれの顔をマットに擦りつけながら、
それでも震えるヒザを立てて辛うじて起き上がった。
 ただ最愛の妹のため。
「正義の鉄槌!! 受けてみなさい!!」
 橘は大見得を切るとロープに向かって走り出す。
 トップロープを掴んで飛び越えると、エプロンサイドにふわりと着地。
 橘はトップロープに飛び乗ると、その反動をつけたスプリングボード式のニールキックを
千春のボロボロになった身体に叩き込んだ。
 首が叩き折れるほどの勢いで橘のカカトが千春の側頭部に食い込み、
鮮血が花火のようにリング上に飛び散る。
 血の海の中にどさりと倒れこんだ千春。
(何が正義の鉄槌だよ……とんだ悪党じゃねーか)
 あまりにも悔しくて、千春は鮮血でぬるつくマットをかきむしる。
 千春は震える手足で四つんばいになりながらも、ただ立ち上がろうともがきつづけていた。
 熱いライトで照らされたリング上なのに、全身が寒くなって奥歯がカチカチと音を立て始める。
 失血のあまり目の前が真っ暗になっていくなか、
その暗闇の向こうに大切な妹の姿がぼんやりと見える。
 両手の力が抜けて、マットにべちゃりと顔から倒れこむ千春。
 村上姉妹の姉は、尻を突き出した格好のまま眠り込むように気を失ったのであった。
「正義は必ず勝つっ!!」
 満足げな表情の橘は舌をちろりと出しながら、目の前の無様に倒れこんだ『悪党』の尻を
力いっぱい蹴飛ばすとリングを降りた。

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「えぐっ、千秋ちゃん……ごめんなさい」
 早瀬は泣きじゃくりながら千秋の身体を拘束するロープをほどいていた。
 試合終了のゴングと同時に解放された千秋は、怯える早瀬に一発食らわせるのも忘れて、
一目散にリングへと向かう。
 息が切れて、涙も鼻水も垂れ流しながら入場ゲートを駆け抜け、姉が倒れたままのリングに滑り込む。
「姉貴っ、起きろよ!! 姉貴ぃ」
 妹の呼びかけにも、血の海の中ぐったりとした千春は応えられない。
「うぅっ、うっ……姉貴」
 自分の身代わりとしてリング上で生贄になった姉を目の前にして、千秋はヒザから崩れ落ちる。
 ヒールとしての自分のイメージが崩れるのも構わずに、
千秋は血まみれに倒れた姉の横、ただすすり泣くしかなかった。
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