294 :名無しさん:2009/11/12(木) 01:51:03 ID:DVVsMV9w

地下闘技場……。
毎夜の如く凄惨な死闘が繰り広げられているこの闇のリングの住人は、何も日本人だけとは限らない。
今夜、観客の目を楽しませる為に死闘を演じるのは、アメリカからやってきた女子レスラー、アニー・ビーチ。
表向きプロレスラーという肩書きを持つアニーだが、実際のところその本職は、地下ファイターと言ったほうが良い。
アングラファイトの本場アメリカ、その中でも最大規模を誇る地下格闘団体、BOD(バトルオブダークネス)の西海岸エリア2位のアングラファイターである彼女だが、今回は日本の地下団体に特別招聘されて、このリングに上がることとなった。

この米国黒船娘を迎え撃つ任務を与えられたのは、日本人ファイターの獅子堂レナ。
数ヶ月前までは勝ったり負けたりの平凡な戦績だったが、表のプロレス界では先輩でにあたるマイティ祐希子を秒殺処刑して以降、5連勝と波に乗っている。
『空手をベースにした打撃タイプの新人レスラー』というのが表のプロレス界における彼女の評価だが、実際のところは投げも関節も使いこなせる、アングラファイトの経験も豊富なオールラウンダーであった。

「それでは本日のメインイベント、日米美少女アングラファイター対決を行います!」
二人の女闘士の戦いを今か今かと待つ場内に、アナウンスが響き、それに続いて軽快な音楽が流れ始めた。
花道の一点にスポットライトが照射され、金髪の白人女性の姿を照らし出し、それを合図に花道を歩き出す白人女性。

「アニー・ビーチ選手の入場です!!」
アナウンスの紹介を受けて、表のリングのようなノリで入場して来るアニー。
ビーチボールを小脇に抱え、客席に向けて笑顔を振り撒き、投げキッスを送っている。
リズミカルに弾むような動作で歩けば、ポニーテールに結えた金髪が揺れる。
「ハ〜イ♪ミンナ、今夜も楽しんでル〜!?」
彼女は他の地下ファイターによく見られるような、表と地下でその顔を使い分けるといったキャラクターではないようだった。
地下闘技場の観客たちに、愛想良く笑いかけ、手を振りながら入場してくる。

だがアニーのファンサーヴィスも、敵地である日本の、それも地下リングでは受け入れられないようで、さっそく観客は彼女に罵声を浴びせ掛ける。

「ごるらあああぁっ!!アニー!!てンめえぇ、生きて日本のリングから出れると思うなよ!!」
「覚悟出来てるンだろうなあっ!?太平洋渡れねえぞ!」
「はははッ!!棺桶入って、お国に帰んなっ!!」
「楽しみにしてるぜ!!テメエがマットをのた打ち回ってもがき苦しむのをよぉぉっ!!」

アングラファイトにも、それ特有の激しい野次にも慣れているアニーも、流石にこのアウェイの罵声には鼻白み、もともと大きめの瞳をさらにぱちくりと見開いて、ちょっと呆れたような表情を作って肩をすくめた。
「凄い野次だネェ……」

アニーがリングインすると、今度は反対側の花道にスポットライトが照射され、彼女の対戦相手である獅子堂レナの姿を照らし出した。
クセのある赤毛の長い髪の少女が、花道を歩き出す。

「レナッ!!」
「獅子堂!!あの白豚を屠殺しちまええッ!!」
「そうだ、レナぁあああッッ!!アニーをぶっ殺せェ!!できなきゃ、テメエが死ねェッ!!」
花道をリングに向って歩くレナには、客席からは応援らしき声が飛ぶが、その声もやはり地下独特の激しく、残酷さをともなった容赦無いものだった。

嵐のような野次の中、リング中央で相対する二人の女闘士。
レフリーからボディチェックとルールの説明を受け、あとはゴングを待つだけとなった

と、ここでアニーが、レナに近づき、握手を求めて手を差し出した。
「ヨロシクネ」
「……」
レナは冷たい視線を送りつつこれを無視。アニーは肩を竦めながら独り呟く。
「モウ!……ニホンのアングラファイトって、ファイターもお客サンもノリが悪いネ〜?」

彼女の独白が終るか終らないかのうちに、闘いの開始を告げる鐘が鳴った。

カァアアアアンッ!!
343 :名無しさん:2009/11/23(月) 21:25:45 ID:YK4c/gMo
表のリングでも愛用している赤い水着を着たレナと、白いワンピース水着のアニー。
対照的なコスチュームの二人は、互いに間合いを計るかのように、リング上を、弧を描くように回っていたが、それもゴングが鳴ってから数秒の間のこと。早速にも動きだす二つの影。

「しャッ!!」
素早い摺り足でアニーとの間合いを詰めるレナ。
前蹴りを放てば、その足先は過たずアニーの腹部を抉るように直撃する。

「げっぶおぉっ!?」
涎を飛ばし、たまらず目を丸くして手で腹を押さえ、身体を「く」の字に曲げて悶絶するアニー。

「チョ、チョットォ……いきなり酷いネェ?」
苦悶に顔をしかめながらも笑みを浮かべ、綺麗な三日月の形になった口から流れる涎を手で拭う。

「次、コッチの番ダネッ!!」
苦悶に縮こまっていた身体が、バネ仕掛けのように急激に伸び上がり、その場で高く跳躍する。

「高いッ!?」
レナが驚きの声を上げる程の跳躍力。助走をつけないにもかかわらず、飛び上がったアニーのヘソが、驚きに見開かれたレナの目の前にまであがっていた。

「シュッ!」
そして空中で身体を捻って水平に半回転させ、足を延ばすようにして、その踵でレナの横面を狙う。
助走をつけない、ローリングソバット気味のフライングニールキックに、レナは驚愕しつつも前腕でブロックした。

「驚いた……凄いバネ」
防御したとは言え、キックの衝撃を受けて数歩よろめいたレナは、口を「へ」の字にしたままで歓心したように呟いた。
(だが、コイツは大したことはないな。地下ファイターとしては二流かそれ以下だ)
レナは内心で思う。
今の攻撃で、アニーのファイトスタイルはほぼ予測がつく。派手で威力も高そうだが、スキが大きく、反撃も受けやすいようなリスキーな大技をいきなり使ってくる。
元々彼女は、『表』のマットでも、フライングニールキックを始めとして空中殺法を得意とする『魅せる』タイプのレスラーだと聞く。
ようは『表』のショープロレス根性が抜け切れていない、地下のシュートファイト向きのファイターではないのだろう。
だとすれば、はっきり言って難敵ではない、組し易い相手だ。

「まあそれでも、ゆっこサンよりは幾らかはマシなんだけどね」
余裕の表れか、つい関係の無い独り言が口から漏れてしまう。

「ドンドンいっちゃうヨ〜ォ!」
膝と腰を曲げて身体を沈めるアニーを見て、レナは再び跳躍する為の予備動作だろうと確信した。
拳を握り締め、カウンターパンチを狙う。
(飛び上がろうと身体を伸ばした瞬間に、顔面に正拳を突き込んでやるわ!)

「……ナンテ、ネ♪」
悪戯っぽい笑みを浮かべ、一瞬だけ舌をペロリと出したアニーの、沈んだその身体が、その低空の位置のままでタックルに来た。

「なぁッ!?」
意表を突かれた。跳躍の予備動作に見せかけ、その実タックルに来る。
(テイクダウンを狙ってくる!?重心を落さないと)
そう思い、腰を落しかけた瞬間には、目の前に『何か』が迫ってきていた。
(ヤバ…)
危機感に全身にゾクリと悪寒に近い感触が走り、鈍くて重い衝撃が走って意識が朦朧となった。

「ぐはぁッ!!」
顔に打撃を受け、低い悲鳴を上げるレナ。
フェイントを掛けてからの低空タックル。しかし実はこのタックルすらもフェイントで、アニーは低い体勢から右のロングフックをレナの顔に放ったのだ。
カウンターでアニーの顔面にパンチを打ち込むつもりのはずが、顔面にパンチを打ち込まれたのはレナの方だった。

「やられた……タックルをフェイントにしたフックなんて、ベタな手に」
「ウフフッ、その前に二ールキックをダシにするのがなのヨン♪」
「思ったより、闘い慣れしてるんじゃない?」
「Thanks!コレでも『西海岸のAce』ッテ呼ばれてるンだかラネ」
軽口を応酬しながら、自身のダメージを確認する。

(大丈夫、自分からオデコを当てに言ったから、ダメージは半減させた)
アニーのパンチに、若干のダメージを受けはしたが、それよりも自分の根拠の乏しい自信を砕いてくれたことはむしろラッキーだった。
(初撃で相手を見切ったつもりになっていた私の方こそ二流以下だ。コイツの戦い方はショープロレスじゃない)

「もう油断しない。これからが本番よ」
360 :名無しさん:2009/11/27(金) 02:08:14 ID:HeQ9tOcs
−5分後
二人の戦いは総合格闘的な打撃戦の様相を呈していた。
ただ、二人の戦い方は若干の差異がある。
ジャブと、ロー・ミドルキック主体のレナの攻撃に対し、アニーはハイキックやロングフック、アッパーで一発KOを狙ってくる というものだった。

「ィヤアァッ!!」
「くッ!」
今も、アニーのハイキックを、レナが腕でブロックしたところだった。
アニーが大技を繰り出す度に、客席が沸く。

だが、大技はその後のスキも大きい。
レナはそのスキに乗じて反撃しようとするが、アニーは素早いバックステップで敵の制空権から離脱する。教科書通りの見事なヒット&ウェイだ。反撃のスキを見つけられず、アニーに逃げられたレナはあえて深追いすることはせず、間合いを取ったままで相手と向かい合う。

(なるほど、コイツは確かにショープロレスしかできないファイターではないが……)
戦いつつも、レナは対戦相手を観察し、その評価を修正していく。

地味な技はほとんど使わず、見栄えの良い大技を駆使しつつも、対戦相手にプレッシャーをかけ続ける。観客の視線を意識しつつ勝ちを狙う戦い方、つまり『魅せる』戦い方を地下ファイトで実現しているのだ。

(日本の地下ファイトにはないスタイルだ。流石にアメリカの地下ファイターは奥が深いということか)

「Hey!Hey!ドウしたのヨッ?!かかって来ないノォッ?!」
にらめっこのような状態になると、さっそくアニーが挑発してくる。
だがレナは挑発に乗ることもなくアップライトに構えたまま、相手が動くのを待っている。
恐らくはカウンターを狙っているのだろう……。
それを見たアニーはだが、臆することはなかった。

「それなら、コッチから行くヨッ!」

アニーが身体を前傾気味に沈め、タックルに来るような体勢に入った。
その姿勢を見て、レナの背中にゾクリと悪寒が走る。
(またフックが来る?!)
さっきの痛い経験から、ガードを挙げて顔面へのフックを警戒するレナだったが、アニーはパンチを打ってくること無く、そのまま胴タックルを仕掛けてきた。

「なッ!?」
(コイツ、打撃だけじゃなくテイクダウンも狙えるのか!?)
慌ててバックステップして、間一髪の差でアニーのタックルから逃れる。
「ふッ!」
だが、アニーは連続でタックルを仕掛けてくる。

(どっちだ?タックルに来るのか?!パンチか?!)
アニーに二択を迫られ、レナは焦りに全身脂汗を浮かべ、一瞬で判断を下す。

「読めたッ!」
動画 アダルト動画 ライブチャット