404 :名無しさん:2009/12/18(金) 17:39:36 ID:3Qupnz7A
前回感想を頂いた方、有難う御座います。ライラ神威×越後しのぶ、の続きです。

『新女の威信を守るため、破れた越後しのぶの仇を取るため、炎の戦士マイティ祐希子が立ち上がる。』

……みたいな感じです。
ズタボロにされるマイティ祐希子は見たくない方はスルーの方向でお願いします。



1.
「流石は炎の戦士マイティ祐希子様だぜぇ。新女ぐらい図体のデカイ団体なら金で解決してくると思ってたんだけどなぁ」
「新女は誰の挑戦からも逃げないわ。……それに越後を潰したツケはきっちりと払ってもらうから」

テレビも観客もいない道場のリング中央で睨み合う、マイティ祐希子とライラ神威。

(……しのぶ、新女の威信は私が守るから)

祐希子の瞼の裏に、病院で臥せる同僚の姿が浮かぶ。半年は試合に復帰できないほどの重症だった。
それでも、新女の看板を守ってください、と悔し泣きをする越後の姿は生涯忘れることは出来ないだろう。
新女の威信を守るため、破れた越後しのぶの仇を取るためにも、マイティ祐希子にとっては決して負けられない喧嘩なのだ。

「一度離れて!!」

今にも額と額がぶつかりそうなほど近づく二人。みかねた佐久間理沙子の制止が入り、二人は一度コーナーに戻る。

「ルールは前回と一緒よ。時間は無制限。眼球への攻撃以外はなんでもあり。……いいわね?」
「もちろん、かまわねぇよなぁ?」
「受けて立つわ」

ライラ神威の挑発的な視線を真正面から受け止め、睨み返す。
相手を小馬鹿にしたようなニヤケ面を見るだけで、皮が破れそうになるほど硬く拳を握っていた。

(街中で培った喧嘩術、思う存分使わせてもらうから)

『なんでもあり』このルールは、かつてストリートファイトで腕をならした祐希子にとっても望むところだった。
金的、顔面への殴打、噛み付き、全てが許されるルール。プロレス興行では決して見せることが許されない技を使える。
祐希子は身体の奥底から痺れにも似た悦びが湧き上がってくるのを自覚した。

405 :名無しさん:2009/12/18(金) 17:40:43 ID:3Qupnz7A
2.
開始のゴングが鳴り響くと同時に、祐希子は駆け出す。そして、相手の間合いギリギリまで助走し、一気に跳びあがった。
芸術的な飛び膝蹴りだった。ゴングが鳴った瞬間に出来る一瞬、その隙を突くことを可能にする跳躍力。炎の戦士マイティ祐希子だからこそ出来る技である。
祐希子の膝が、奇襲に驚くライラ神威の顔面を仰け反らせる。グチュリと鼻が潰れる音が肌を通して伝わった。

「舐めんなっ」

鼻血を撒き散らしながらも気勢をあげるライラは、祐希子の膝に腕をまわしてキャッチすると、ニヤリと笑った。
リング下で見守る後輩達から悲鳴が上がる。このままではカウンターのパワーボムをくらってしまう。

「あまいっ!!」

だが、それを許す祐希子ではない。
ニヤつくマスクウーマンの頭頂部に飛び箱を跳ぶように両手をつき、キャッチされていなかった左足が振り上げる。

「ギャッ!?」

二撃目の膝がライラの顎を打ち上げた。
不安定な体勢からの追撃だったため、威力は一撃目より低かったが、キャッチされていた脚の戒めを解くには十分だった。
足を掴む腕を払いのけ、後方へ転がり込むように着地するやいなや、
飛び膝蹴りの二連撃を受け、グロッキー状態のライラに向けて、弾丸のようなタックルを仕掛けた。

「ちぃ、クソがぁっ!!」

体中を駆け抜ける危機感に、正気を取り戻したライラがカウンターの膝蹴りを繰り出す。
しかし、祐希子はこれを潜り込むようにして避け、勢いのままローリング・ターンで隙だらけのマスクウーマンの背後を取った。

「っ!?」
「せいぃっやぁぁっ!!」

祐希子はライラの腰に腕を回しガッチリとクラッチすると、必殺のジャーマン・スープレックスを仕掛ける。

「げふぅぅっ!?」

轟音とともにライラの身体がマットに叩き付けられる。

「まだまだっ」

祐希子の攻撃は留まることなく、素早くブリッジを崩しクラッチを解くと、ライラを無理矢理起こしパワーボムの体勢に入る。

「これでどうだーっ!!」

406 :名無しさん:2009/12/18(金) 17:42:05 ID:3Qupnz7A
3.
そこいらのパワーファイターよりも余程迫力のある、祐希子のジャンピングパワーボムが炸裂し、ジャーマンスープレックス以上の轟音が、道場の空気をビリビリと振るわせた。
リング下で見守っていた後輩達から歓声が上がる。アレをくらって立ち上がれるわけがない。若いレスラーたちはそう思った。
しかし、祐希子は勝ち名乗りを上げることなく、ライラ神威の腹の上に馬乗りになると、その顔面に鉄槌を振り下ろす。
そう、勝負は終わっていない。パワーボムを受けたライラの瞳はまだ力を失っていなかったのだ。

「ぎゃっ!! ぐぇっ!!」

祐希子がマスクウーマンの顔に鉄槌を振り下ろす度に、拳の下から小さな悲鳴が上がる。
相手がガードしていようがその上から渾身の力で殴りつけた。
時にガードの隙間にめり込むように拳が顔面を打ち、後頭部は衝撃でマットに激しく打ちつけられる。
ただ、力任せに殴りつけるだけの原始的な攻撃。まさしく喧嘩の技だ。

「いい加減、降参したらどう?」
「ペッ」

祐希子の降伏勧告に、ライラは血の混じった唾を吐きかける。
祐希子の顔に赤い小さな斑点がついた。

「そう、それが答えってわけね」

祐希子は満身の力を込め、血塗れの顔で不敵に哂うライラ神威の顔に拳を振り下ろした。

「馬鹿がっ!! そう何度もくらうかよっ」
「しまっ!?」

祐希子が振り下ろした拳がライラの腕にから絡めとられてしまう。
咄嗟にもう一方の拳でライラの顔を殴ろうとした祐希子の耳をライラが捕らえた。

「きゃあっ!?」

耳を掴まれ強引に引き寄せられた状態で頭突きをくらい、怯んだ隙にマウントポジションから逃げられてしまう。

「気持ち悪いぐらいすごいタフネスね」
「ヒャーハッハッハァ。アスファルトに叩き付けられたり、鉄パイプでシバかれるのに比べりゃあ、テメェの攻撃なんざ屁でもねーなァ!!」

血に塗れながら奇声をあげ笑うライラの姿に、祐希子の背筋を冷たい汗が流れ落ちた。

407 :名無しさん:2009/12/18(金) 17:43:51 ID:3Qupnz7A
4.
ライラ神威のタフネスは異常だった。顔面を真赤に染め上げ、肩で荒い息をつきながらも、その瞳は今もギラギラと輝いている。
顔面と顎への膝蹴りでグロッキー状態のところに、本気のジャーマンスープくレックスとジャンピングパワーボム、駄目押しのマンウンパンチの連打。
サンダー龍子やビューティー市ヶ谷すらダウンさせることが可能だろう。

「耐えてるだけじゃ私には勝てないわよ」
「すぐにブッ殺してやるよ。オラァッ!!」

祐希子の挑発を受け、ライラ神威は真正面から殴りかかる。
無駄に動作の大振りなパンチ。当たればそれなりの威力になるだろうが、それをもらうマイティ祐希子ではない。
がら空きになった顔面にカウンターの右ストレートを打ち込んだ。
硬い感触が拳に伝わると同時に、腹部に鋭い痛みが走った。
ライラ神威の中指一本拳が、祐希子の脇腹に突き刺さっていた。ライラ神威がダメージ覚悟で祐希子の右ストレートに左ボディブローを合わせたのだ。

「か、かはっ!?」

ボディブローの中でも最もダメージの高い肝臓を精確に打ち抜かれ、祐希子は激痛に悶絶する。
痛みに耐えながらもバックステップで距離をとろうとするが、すでに遅く祐希子の手首はライラ神威に捕らえられていた。
祐希子の身体を担ぐように投げる。一本背負い。否、肘関節を極めたまま投げる古流の一本背負いだ。

「――ッ!?」

マットに叩き付けられ、肺の中の空気が強制的に押し出される。だが、痛みに悶絶する間もなく、祐希子はマットを転がり、ライラから距離をとる。
一瞬前まで祐希子の顔があったところに、リングブーツが振り下ろされていた。もし、回避していなければ、ライラ神威の下段踵蹴りがダウン状態の祐希子の顔を潰していただろう。

「いい感してるじゃねーか」
「……それほどでも」

マスクウーマンから距離をとり、右肘を庇うように構える。
とっさに相手の動きに合わせて受身を取ったため折れてはいなかったが、少なくともこの闘いでは使い物にはならないだろう。
それだけのダメージを負っていた。

(プロレスや喧嘩技じゃない。何か他の格闘技をやってる?)

精確に肝臓を打ち抜く打撃技、肘を極めたまま投げる一本背負い、荒々しいファイトに隠された細かな技。
その正体は不明だが、ひとつだけ確かなことは、この道場破りが強いということだけだった。

408 :名無しさん:2009/12/18(金) 17:45:19 ID:3Qupnz7A
5.
「片腕でどこまでアタシの攻撃を凌げるか、見物だぜぇ」
「くっ!!」

片腕が使えない祐希子に対して、ライラ神威の猛攻が始まった。
こめかみ、人中、顎、肝臓、腎臓、股間、脛、人体の急所という急所を正確に狙ったライラの打撃を、祐希子は最低限急所に当たらないよう何とか捌く。
だが、それも長くは続かなかった。

メキリ

乾いた音が祐希子の体の中に響く。ライラの左ボディブローが祐希子の肋骨を叩き折ったのだ。

「げふぅぅっ!!」
「痛ぇか? 痛いだろう? もっともっと痛くしてやるぜぇ。ヒャァッハッー!!」

狂ったような笑い声とともにライラ神威の打撃が祐希子を痛めつける。

「かぁっ、がはっっ、げほぉっ!!」

ミシ、メキ、メキリ、と肋骨が砕けていく。

「散々ひとの顔を殴ってくれてありがとよ。テメェの顔も真っ赤に化粧してやるぜぇ!!」

痛みのあまり脇腹を構え悶える祐希子のこめかみに、ライラの肘が打ち下ろされる。
ビシャッと鮮血が飛び散り、祐希子は自身の血で汚れたマットに倒れ込んだ。

「まだまだ終わらねぇぜぇ」

ライラは祐希子の髪を掴むと、リング下で見守る新女レスラー達にボロボロのエースを見せ付けるように引き摺り歩く。

「エースの情けねぇ姿に皆ビビッてるぜぇ」
「クソ……が」

ライラの挑発に祐希子の瞳に微かに力が戻った。ライラはそれを満足そうに見ると祐希子の身体をコーナーへ思いきり投げ飛ばした。衝撃に肺の中の空気が押し出される。
コーナーに磔にされ、動くとことすら出来ない自分の身体が恨めしかった。

(動いてよ、どうして動かないのよ。私の身体なのに……)

肘でカットされたこめかみから血がどくどくと流れ、肋骨は何本折れたかも分からない、右腕は動かない、満身創痍の状態。
それでも、負けるわけにはいかなかった。諦めるわけにはいかなかった。それが新女に籍を置くものの務めだった。

409 :名無しさん:2009/12/18(金) 17:48:05 ID:3Qupnz7A
6.
「そういや、ここへの攻撃は禁止されてなかったよなあっ!!」

まともに動くことの出来ない祐希子の股間にライラ神威の爪先が刺さる。

「――きゃあぁっ!!」
「いい悲鳴じゃねーか、もっと、もっと泣かせてやるよ」

股間を守るため本能的に閉じようとする祐希子の太腿を抱え上げる。
祐希子にも自分がどんな技をかけられるか、予想がついた。片腕で必死にライラの顔にパンチを浴びせる。
しかし、ズンッと股間に鋭い衝撃が駆け抜けた。

「――っ!!」

マンハッタンドロップ。またの名をリバースアトミックドロップ。相手を抱え上げ、腿に相手の股間を叩きつける技である。
口から涎を垂れ流し、ライラ神威の腿の上でビクビクと痙攣する祐希子。
ライラはなにを思ったのか、リング下で顔を蒼くするレスラー達に祐希子の股間が見えるように、背後から祐希子の太腿を抱え持ち上げた。

「可愛い後輩たちに見てもらえよ。テメェの放尿シーンをなぁ」
「いやあぁぁぁぁっ!! 見ないで、お願いだから!!」

祐希子の口から絶叫が響く。
だが、じわりとリングコスチュームに染みが広がり、やがてジョバジョバと祐希子の股間から尻を伝い尿が垂れ流される。

「ううぅああぁぁ……いや、いやぁ」

涙を流しながら小さく呻く祐希子の顔には、もはや戦意はなかった。
ライラ神威はそれを確認すると、炎の戦士と呼ばれていたものを乱暴にマットに投げ捨てた。

「レフェリー、アタシの勝ちだな?」
「……そのようね」

試合中の昂ぶりとは一点冷めたようなライラの態度に、応える佐久間理沙子の声は硬い。

「ここにはもう用はねぇ。この程度の奴がトップを張ってるようじゃ他の奴の実力は知れてるからな」
「貴女はいつもこんな闘いをしているのかしら?」
「ああ、そうさ。アタシはマットのうえで死神と踊るのが好きなんだ。じゃぁな、もう会うこともねぇさ」

マスクをつけた道場破りは手をひらひらさせながら、独り都会の闇へと消えていった。
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