919名無しさん:2010/04/28(水) 18:57:21 ID:qyUZpiZo
昔あったネタで、「桜井千里7番勝負」みたいなやつを思い出したので適当に相手見繕ってやってみた。
なかなか美しい結果になったので、手元のメモと試合結果を元に脚色・レポ形式にしてみる。
書き方は懐かしの「ゆっこ7番勝負」に準拠した「週刊レッスル」スタイル。
団体は新女、ケツ決めなし。
差し当たり前半4試合を投下。

第一試合 45分一本勝負
×桜井千里−サンダー龍子○ 
(17:35 片逆エビ固め)

■試合経過
桜井千里のプロレスラーとしての資質を確かめるために組まれた7連戦。
最初の相手はいきなりの強豪、サンダー龍子。
序盤は、桜井が自慢の打撃を軸に優勢に進める。
ローキックで龍子の意識を散らして、投げや関節技も絡めて体力を削っていく。
とはいえ龍子もさすがのタフネス、動きは悪くなく、常に一発の危険を匂わせながら前に出る。
しかしそこが狙い目だったか、前がかりになった龍子にエルボーを叩き込みふらつかせると、抱え込んで得意のキャプチュードを決める。
さすがの龍子もこれは堪えたようで、頭を抱えたまま立ち上がることができない。
チャンスと見たか、桜井は龍子の髪をつかんで引っ張り起こすとそのまま飛びつきフランケンシュタイナーを試みる。
しかし、結果的にここが桜井の運命を決めることとなった。
龍子は水際で踏ん張ると、逆に桜井の体をゆっくりと持ち上げ、切り返しのパワーボム。
これは不完全だったが、飛び起きた桜井の首めがけ、すぐさま延髄斬りをはなつ。
矢継ぎ早の攻撃に対応できず、まともにもらってしまうと、そのままガックリと膝を着く。
さらに龍子の追撃。3回、4回と固く握られたグーパンチが桜井の顔面を赤く染め上げていく。
まぶたを腫れ上がらせ、半失神状態でリングに崩れ落ちる桜井。苦しげに息を漏らしながらうつぶせに横たわる。
フン、と鼻を鳴らすと、龍子が桜井の右脚を取り、そのままその背中にドッカリと腰を落とす。
満身の力を込めた片逆エビ固めがリング中央で極まる。龍子のグラウンドは珍しいが、極まったときの威力は保証済みだ。
桜井の背中はまるでしゃちほこのごとく反り返り、ミシミシと軋みをあげる。
両腕を突っ張ってロープに逃げようとするが、龍子は全体重を乗せて桜井を押し潰してしまう。そのプレッシャーに負けたのか、声も上げられない桜井。
そのまま3分ほど経過したところで、桜井の掴まれていない左脚がピーンと突っ張る。
レフェリーが桜井の顔を覗き込むと、腕を上げて意識を確認することもなくすぐさま両腕を交差させる。
そして試合終了のゴングが打ち鳴らされた。

予想外のフィニッシュに、会場はずいぶんとざわついていた。
解放された桜井だが、白目を剥きリングを舌で舐めたまま失神していた。
どうやら背中を極められると同時に肺も圧迫されていたようだ。痛みと呼吸困難で意識を手放したのだろう。
シンプルな固め技に必殺の威力を与える龍子のパワーは改めて恐るべしと言わねばなるまい。

桜井は当然ノーコメント。龍子は「もうちょっと手応えがあるかと思ったんだけどね」と一言だけ吐き捨て、早々に会見を切り上げた。
失神負けという結果もさることながら、結局最後まで龍子にプラズマサンダーボムを使わせることができなかった桜井の胸中いかばかりか。
7番勝負の幕開けは、この上なく厳しいものとなってしまった。

920名無しさん:2010/04/28(水) 19:02:28 ID:qyUZpiZo
第二試合 45分一本勝負
×桜井千里-ソニックキャット○
(15:50 シューティングスタープレス)

■試合経過
強さを押し出したストイックなスタイルの桜井と、ショー的な華やかさを満載にしたけれんみたっぷりのプロレスを魅せるソニックキャット。
プロレスラーとしての思想を異にする両者の対決は、予想外のワンサイドゲームとなった。
試合開始直後から、リングを縦横無尽に飛び回るソニの立体的な動きに桜井がまるでついていけない。
巧みなロープワークから速く鋭いローリングソバットを突き刺したかと思えば、懐にスルリと忍び込みアームホイップで桜井を易々と転がして見せる。
躍動するソニとは対照的に、すっかりペースを乱された桜井の動きには全くキレが見られない。
ローキックでソニの足を止めようとするが、フォームが崩れて有効打を与えるには至らず。逆に反撃のミドルキックをもらってしまう。
ソニのキックはバリエーションこそないものの、瞬発力を十分に生かしたスピーディなもの。
加えて、この日の桜井はまるっきり精彩を欠いていた。
脇腹にきれいにもらうと、嘔吐感からか思わずうずくまる桜井。
この隙を見逃すソニであるはずがなく、桜井の上半身を抱え込むと、全身のバネを使って跳躍。
必殺のプラズマソニックボムを炸裂させる。
決定的かと思われたが、ここは桜井が意地を見せ、2.9で何とか返す。
しかし、ダメージが深く、仰向けのまま立ち上がることができない。
ぼんやりとした表情のまま、荒い息をつく桜井。起き上がろうと身を起こすが、思うに任せない。
横たわったままの桜井に、天高く舞い上がったソニの体が叩きつけられた。
シューティングスタープレスの衝撃で、桜井の体はリングとソニの間で激しくバウンドし、そのままグッタリと動かなくなった。
ソニが余裕をもってフォール、今度こそ3カウントが入り試合終了。

結局この試合で、桜井に見せ場らしい見せ場は訪れなかった。
確かにソニの攻めは厳しいものであったが、それを差し引いても桜井の動きは悪すぎた。
打撃戦ですら打ち負けるなど、不甲斐ないというほかない。
勝ったソニも不満だったようで、「ヒロインは敵が強いほど燃えるのさね。今日はつまんなかったお」と口を尖らせた。
今日のような出来が続くようであれば、7番勝負の完走すら危ういといわざるを得ない。桜井の奮起を望む。

921名無しさん:2010/04/28(水) 19:04:26 ID:qyUZpiZo
第三試合 45分一本勝負
○桜井千里−ミミ吉原×
(37:32 エクスプロイダー→片エビ固め)

■試合経過
桜井千里7番勝負、3人目の相手はベテラン・ミミ吉原。
連敗、それも内容の悪い負け方が続いている桜井。
頂点を目指すと常々公言しているだけに、重鎮だがタイトル戦線からは退いている吉原にまで負けるわけにはいかない。
なんとしても勝って、次につなげたいところだ。

試合は静かな立ち上がりを見せる。
桜井は立ち技を軸にしたいところだが、吉原のバックボーンがそれを許さない。
逆に、吉原はグラウンドに持ち込みたいが、桜井の警戒が強く思うに任せない。
互いに小技で動きを探りあう地味な展開が延々と続く。
先に均衡を破ったのは桜井。立ちレスリングの状態から吉原をフロントスープレックスで投げ飛ばすと、立ち上がってきた吉原に向かって間合いをつめる。
距離をとりながらミドルキックを打つ吉原の蹴り足をキャッチし、キャプチュード。
危険な角度で落とされた吉原は、力なくリングに横たわる。
畳み掛けたい桜井は、吉原を無理矢理起こすとコーナーポストに叩きつける。
ポストにもたれかかる吉原に、掌底の嵐。上下に打ち分けて的を散らし、確実に追い込んでいく。
ダメージが深さに腰を落とす吉原。止めとばかりに桜井のハイキックが閃く。
しかしどうやら勝負を焦りすぎたようだ。モーションの大きいハイキックは吉原の頭を捉えることなく虚しく空を切る。
ダッキングで桜井のハイをかわした吉原は、回避とほぼ同時に水面蹴りで桜井の軸足を刈り取る。
さらに、尻餅をついた桜井の上体を押さえ込むようにして動きを止めると、流れるように右腕を取りチキンウィングアームロックを極める。
強烈に腕を捻り上げられ、桜井の口から絶叫にも似た悲鳴がほとばしる。
ロープに逃げようとする桜井だが、そこはさすがの吉原、動きを見事にコントロール。
以前マイティ祐希子を手玉に取った試合もそうだが、グラウンドでの吉原の動きは匠と呼ぶにふさわしい。
ずいぶんと痛めつけられたが、桜井もほうほうのていでロープエスケープに成功する。
右腕を押さえてうずくまる桜井を引き起こし、更なる追撃を狙い組み付いていく吉原。
桜井は無事な左腕で掌底を放ち吉原を引き剥がすと、もう一度キャプチュードを仕掛ける。
しかし、吉原も同じ技を2度も食らうほど間抜けではない。取られた脚を支点にして、桜井の顔面に回転蹴りを見舞う。
思わず脚を離してしまう桜井。逆に、吉原は桜井の脚をすくって転倒させ、再びチキンウィングアームロック!
完璧な極まり具合に、桜井は先ほど以上の、今度は完全な絶叫を響かせる。
歯を強く食いしばり涙をボロボロ流しながら、それでもロープエスケープに成功。吉原にとってはロープとの位置が近すぎたか。
とはいえ桜井の右腕は限界。吉原の勝利は目前だったが、桜井がそのポテンシャルをここで見せ付けた。
突っ込み気味の吉原のボディにミドルキックを入れて動きを止めると、側面に張り付きそのままエクスプロイダー!
今まで見せたことのない技をこの土壇場で炸裂させた桜井。虚を衝かれまともに叩きつけられた吉原は完全にストップ。
フォールカウントが3つ入り、桜井が7番勝負での初勝利を挙げた。

目前で勝利を逃した吉原は悔しそうに顔をしかめながら控え室に消えた。
一方、右腕に深いダメージを負った桜井は、その右腕をかばいながらうつむき会場を後にした。
勝利したとはいえ、全体的に試合を支配されたのは事実。ダメージがどれほど残るかも含め、残り4戦も厳しい戦いになるだろう。

922名無しさん:2010/04/28(水) 19:06:22 ID:qyUZpiZo
第四試合 45分一本勝負
○桜井千里−メロディ小鳩×
(20:51 ヘッドシザースホイップ→体固め)

■試合経過
結論から言えば、モヤモヤの残る試合であった。原因は、あのフィニッシュシーンに集約される。
なんともすっきりしない、不可解な決着であった。

さて、試合について見てみよう。
この日の桜井のファイトには明確な意図が見て取れた。すなわち、小鳩の飛び技を如何に封じるかである。
スタンドでは徹底したローキックで小鳩の脚を殺しにかかる。
組んでも、そこからロープに振るようなことはしない。切り返される恐れがあるからだ。
連勝して星を五分に戻したかったのだろう、堅実な試合運びである。
ただ、筆者にはソニックキャット戦の影におびえているようにも見えたが……。
とにかく、桜井がローキックとスープレックス系の投げを主体として試合を優位に進めていたことは確かだ。
いかにもひ弱な印象のある小鳩相手なだけに、ミドルキックからエクスプロイダーの連携が決まったときは、これで終わりかとも思った。
どうやら、筆者は小鳩を見くびっていたらしい。
エクスプロイダーの後、不用意に近づいた桜井にやおら飛びつくと、そのままゴロンと回転して丸め込みを仕掛ける小鳩。
もちろんこれで決まるわけもなく、桜井はカウント2で返す。
しかし、小鳩はスルスルとバックを取ると、桜井の右腕を捕らえて脇固めを極める。
吉原との戦いで傷ついた右腕を再び責められ、激痛に悲鳴を上げる桜井。
さらに、脇固めを解くとグラウンドをキープしたまま両腕両脚をロックし、ロメロスペシャル。完全に動きを封じられ、痛みを堪える術もなく悶える桜井。
桜井の体を上下に揺さぶり、容赦なく刺激を加えていく小鳩。桜井は断続的な悲鳴を上げながら、激しく頭を振り乱す。
たっぷりと時間をかけていたぶった後、小鳩は桜井を解放すると、すっかり脱力した桜井をロープに振り、おなじみのメロディ・スタンプ。
力なく倒れこむ桜井を引き起こすと、バックに回り込み見事なジャーマンスープレックスを炸裂させる。
いつもは見ることの少ない、意外な小鳩のレスリング力。投げられた体勢のまま、品のない言い方をすればまんぐり返しで固まったままの桜井の姿がその威力を物語る。
決着の予感が濃厚に漂う中、小鳩がフィニッシュホールドを決めようと桜井を引き起こす。
その刹那、桜井の体が突然伸び上がり、両脚で小鳩の首を挟みこみ、そのままリングに引きずり倒そうとする。
突然のことだったが、小鳩も何とか踏ん張り、少しの間だけ均衡状態が訪れる。
が、とうとうバランスを崩し、両者もつれるようにしてダウン。丁度桜井が小鳩をフォールする形となる。
両者ともに動く気配を見せず、そのままカウント3。決着は全く唐突な形となった。

終了後もなかなか立ち上がらない桜井をレフェリーが引き起こしてみると、半ば白目を剥き半失神状態であった。
聞いた話では、内股の状態で軽く失禁もしていたらしい。
試合後の小鳩によると、倒れたときに頭を打ってしまった、桜井はジャーマンスープレックスの時点で目が飛んでいたとのこと。
ジャーマンスープレックスの時点でもう意識はなかったのだろうか。しかし時間を置いてあのようになるものだろうか。
リングサイドの弊紙カメラマンは、「二人がもつれたとき、拳で骨を叩くような音が聞こえた」と言っていたが……。
気のせいか、小鳩絡みの試合はアクシデントが多い気がする。
とにかく、星を五分に戻すことには成功した桜井。内容は不安だらけだが、白星が良薬となるか。

925名無しさん:2010/04/29(木) 00:18:52 ID:91sXfG3k
第五試合 45分一本勝負
×桜井千里−六角葉月○
(17:58 ラビリンス・スリーパー)

■試合経過
2勝2敗で迎えた第5戦。
内容は褒められたものとは言えないが、とにかく結果は出てきており、桜井としては余勢をかってこのまま白星先行といきたいところだ。
しかしその思惑は見事に外されることになる。

とにかくファーストコンタクトで大勢は決まっていたと言わざるを得ない。
六角の動きが素晴らしかった。重心を低く落とし、アマレス時代に戻ったかのようなフォームでにじり寄ると、猫のような素早さで組み付き引きつける。
こらえようとする桜井だが、六角の握力に耐え切れず、あえなくテイクダウンを許す。
グラウンドは六角の庭。立ち上がりたい桜井を完全にコントロールすると、巧みなポジショニングで逃げ場を塞いでいく。
この時点で、六角が「仕事人」としてリングに上がっていることは明らかだった。
痛めた右腕をかばいながらではこの蟻地獄のようなグラウンドから逃れられるはずもない。桜井は罠にかかった蟻のようにジタバタするしかなかった。
そして地獄の時間が訪れる。
巧みな動きでリング中央に移動すると、桜井の左腕を取りにかかる六角。それを許してなるものかと、桜井は左腕を縮め、右腕で突き放そうとする。
しかし、それが六角の狙い。標的を右腕に切り替えると、一瞬でチキンウィングアームロックを極める。
吉原そして小鳩と、執拗に狙われ続けた右腕をまたも締め上げられる。痛みと恐怖で色を失ったのか、恐れの混じった悲鳴を上げる桜井。
ロープに逃げようとするも、六角に進路をずらされ真ん中で虚しく回るばかり。
さらに六角は、桜井の右腕を捕らえたままバックにポジションを移動させると、その右腕を自身の右腕の肘関節で挟み込み、左腕を顔面に巻きつけてクラッチ。チキンウィングフェイスロックに移行する。
じっくりと、力を緩めることなく締め上げていく六角。盛り上がった筋肉が桜井の顔を圧迫する。
このとき、桜井は右腕から絶えず送られてくる痛みに絶叫を上げてしまいたかっただろう。しかし、万力のような力で首ごと捻り上げられ、声を上げることすらままならない。
フゥフゥと息を漏らし、脚をバタつかせるばかりの桜井。顔面は見る見るうちに紅潮し、その目からは涙がこぼれ落ちる。
次第に動きが小さくなっていき、誰の目にも限界が近いことがわかる状態になると、突然六角がクラッチを解いた。
座り込んだままグッタリとしている桜井を立たせると、そのまま裏投げで投げ捨てる。
横倒しになったまま動かない桜井。このままフォールしても決着はついただろうが、六角の選択は容赦のないものだった。
腕を桜井の首に巻きつけ、もう一方の腕で後頭部を押し気管を圧迫する。必殺のラビリンス・スリーパーのチョーク版である。チョークに反則を取らないという7番勝負の特別ルールが桜井を地獄に叩き落す。
さらに、六角は両脚を桜井の脇腹から前に回し、しっかりとフックする。そして、そのまま体を反らせてチョークをより深く食い込ませていく。
仰向けに転がされ動きを完全に封じられた桜井は、口をパクパクと動かし必死に酸素を求めるが、無駄な足掻きだった。
やがて、大きく口を開け舌を突き出すと、ガクンと脱力。白目を剥き、舌を垂らした無様な姿を観衆に晒す。
言うまでもなくレフェリーがストップ。3敗目を喫した。

桜井は連日のノーコメント。
六角は頭をかきながら「いや、青いな」と一言呟き控え室に消えた。

これぞ「殺し」と言うべきファイトを見せた六角。実力査定という場だからこそ許されるスタイルだが、それにしてもここまで徹底的な六角は久しぶりである。
桜井はある意味運がなかったが、強さを追求するのであれば多少なりとも対応する姿を見せてほしかった。
グラウンドという弱点をあぶり出された桜井に、マイティ祐希子の姿がオーバーラップして見える。
唯一の救いは、ラスト2試合の相手が寝業師ではないことぐらいか。
星取り的にも追い込まれた桜井。ここからの逆襲はなるか。

926名無しさん:2010/04/29(木) 00:19:58 ID:91sXfG3k
第六試合 45分一本勝負
×桜井千里−寿零○
(17:45 サイレント・ナックル)

■試合経過
キックとボクシングの違いはあれど、互いに打撃をベースとした実力派として、一時はライバルとも目されていた桜井と零。
これまでなかなか交わる機会のなかった二人の対決は、7番勝負という舞台で実現した。
この試合に負ければ負け越しが決まってしまうこともあり、桜井の入れ込みようは並ではなかった。

序盤から両者の打撃が激しく交錯する。
桜井がローキックを放てば、零も掌底を返す。零の掌底に、桜井はローキックで応える。
繰り返される打撃の交換。図らずも、クラシックな打撃合戦が繰り広げられる。
この根競べ、次第に零が桜井を押し込んでいく。桜井は掌底を浴びるごとにふらつくのが目立ち始める。
それでもローキックを打ち続ける桜井だが、零は今度はローキックをそっくりそのまま返してゆく。恐ろしいキレのローキックが打ち下ろされ、桜井の体が大きくよじれる。
主導権は完全に零のものに。ついに打ち負け、ズルズルと後退する桜井に、必倒の打撃が幾ダースと降り注ぐ。
神田幸子もかくや、というべきボクシングのコンビネーションが桜井の顔を切り裂き、ボディをえぐる。
一打ごとに、くぐもった声が桜井の口からこぼれていく。
たまらず組み付く桜井。だが、零の懐は安全圏ではない。
腕を首に巻きつけ、体を捻る勢いで後方に投げ捨てる裏投げが、桜井を後頭部からリングに叩きつける。頭を抱えて悶絶する桜井。
ダメージを値踏みするように、倒れた桜井を見下ろしていた零だったが、やがて桜井の頭を掴んで立たせると、追撃のミドルキックをぶち込む。
脚を震わせながらよろめき、リングに崩れ落ちた桜井は、嘔吐の声とともに涎を垂れ流す。
青ざめていく顔色。表情はクシャクシャ、痛みをこらえるためか脚をリングに噛ませようとするが、あえなく滑っていってしまう。見ているだけで吐き気が伝染しそうだ。
追い込みをかける零。濁った声を漏らしながら腹を抱えて突っ伏する桜井をさらに引き起こし、STO!
またもや後頭部を打ち付けられ、呆然と天井を見上げる桜井に覆いかぶさる零。
しかしこの7番勝負、桜井は土壇場での粘りに関しては評価に値するものを見せている。
この日も、フォールカウント2.9で返すと、起き上がりざまに一気に組み付き渾身のキャプチュードを決めて見せる。
ダメージというよりはその粘りに驚いた表情を浮かべる零の横で、自らを奮い立たせるように咆哮すると、ファイティングポーズを取る桜井。クールな彼女には似つかわしくない姿だが、あきらめない気持ちが出ていて好ましく思えた。
しかし、現実は時に残酷である。
立ち上がった零と桜井の視線が交わり、歩みを進める次の瞬間だった。
零の体が音もなく回転する。動きの中に完全に隠された拳の軌道が桜井の顎を正確に捉える。
切り札中の切り札、サイレント・ナックル一閃。
全身を棒のようにまっすぐ伸ばし、スローモーションのようにゆっくりと、前のめりに倒れる桜井。
目をカッと見開いたままうつ伏せに倒れたその体がビクビクと痙攣する。腰が跳ね上がり、形のいいヒップが惨めに揺れる。
10カウントを待つまでもなく、レフェリーが試合を止め、桜井の回りにセコンド陣と救護班が殺到した。

担架で退場した桜井は当然ノーコメント。
零は、「今日は思い切りやっていいって言われた、から……」と何気なく問題発言を炸裂させていた。

同タイプのライバルに完膚なきまでに叩きのめされた桜井。
ダメージの深い右腕を特に狙われたわけでもなく、言い訳の効かない惨敗を喫してしまった。
7番勝負も負け越しが決定。彼女の現在の立ち位置をはっきりと突きつけられた一戦だったと言えよう。
それにしても、あれだけ壮絶にKOされて、最終戦に出場できるのだろうか? 桜井のダメージが心配である。

927名無しさん:2010/04/29(木) 00:21:40 ID:91sXfG3k
第七試合 45分一本勝負
×桜井千里−大空みぎり○
(16:38 超高層ボディスラム)

■試合経過
先日の壮絶な失神KO負けで、最終戦の出場が危ぶまれた桜井。
しかし、新女の誇る救護班の迅速な対応と桜井自身の回復力、そして何より桜井の強い意志が彼女をリングに立たせたのだった。
7番勝負の負け越しは既に決定していたが、最後に勝って有終の美を飾りたいところであった。

この試合、展開自体は、身も蓋もない言い方をしてしまえば「いつものみぎりの試合」であった。
巨人を処するには末端を攻めるというセオリーどおり、コツコツとローキックを積み重ねる桜井。
この戦略自体は間違いではないだろう。先日、近藤に逆転負けを喫した試合を挙げるまでもなく、打撃技への対処がみぎり最大の課題であることは既に指摘されている。
そう、打撃戦に持ち込むことは正しいのだ。みぎりに捕まりさえしなければ。
大抵のストライカーは、みぎりのタフネスに疲弊し、もたもたしている間に逆転打をもらって圧殺される末路を辿る。
哀れなことに、この日の桜井がまさにそれであった。
ローキックがみぎりの脚を軋ませるその前に、巨大な握りこぶしが桜井の肩口に打ち下ろされた瞬間から、みぎりのゲームがスタートした。
桜井はただ一発のハンマーブローで片膝をついてしまう。その背中に、遠慮なくこぶしを落としていく。
スーパーヘビー級のレスラーでさえ容易くその動きを止めてしまうみぎりのパワーが、桜井の体を打ち据える。
ピンで留められた昆虫のようにリングに釘付けとなった桜井。足元に跪く格好となったその体を、みぎりはひょいと抱え上げると、胸あたりの高さからポイッと投げ捨てる。
ボディスラムというにはあまりにも粗雑な投げ。しかし、それすらもみぎりの怪力で行えば十分な威力を発する。
背中からリングに落とされ、肺から空気が押し出される。桜井の口から空気の漏れる音が聞こえてくる。
起き上がろうとする桜井の背中をさらに殴りつけ、抱え上げ、落とす。子供が与えられたおもちゃを玩ぶような、稚気すら感じさせるみぎりの攻め。
技もクソもない、力にまかせた単純なファイトだが、ただそれだけで桜井の体力がみるみるうちに削られていく。動きが鈍っていくのがはっきりとわかる。
思わず涙を浮かべる桜井。鍛え上げた強さこそ真の強さであるとの信条を持つ桜井にとって、みぎりのような生まれつきの強者に蹂躙されるのは屈辱以外の何物でもないのだろう。
フラフラになりながら、それでも立ち向かう姿勢を失わない桜井だったが、みぎりの丸太のような右腕に吹っ飛ばされ、回転しながらリングに倒れこむ。
ここでKOされてもおかしくはなかったが、桜井にも意地があるのだろう。歯を食いしばり、ままならない脚に拳で渇をいれて立ち上がる。
しかし、そこに待っていたのはみぎりの両腕だった。桜井の体に掴みかかると、ぎこちない動きで腕を絡めていく。ダメージの深い桜井は振りほどくことができない。
不恰好だがしっかりと極まったコブラツイストが、桜井の全身を捻じ切りにかかる。
耳をつんざくような絶叫を喉の奥からほとばしらせる桜井。みぎりの馬鹿力に締め上げられ、もがくことすらできずにただ悲痛に叫び続ける。
みぎりがえいやっとばかりに捻りを加えると、ひときわ大きな断末魔を上げてガックリと頭を垂れる。
解放された桜井は、白目を剥いて失神したままリングに崩れ落ちる。が、そんな桜井を途中で抱き止めるみぎり。
みぎりはにっこりと微笑むと、力を失った桜井を高々と抱え上げ、思い切りリングに叩きつける。
超高層ボディスラムの衝撃が会場に響き渡る。
リングの中心には、四肢をグニャリと歪ませて、不自然な格好で痙攣する桜井の姿があった。股の辺りからは、じんわりと黄色い染みが広がっているようにも見えた。
レフェリーストップとなったが、正直遅すぎた感は否めない。

試合後、桜井は病院へ直行。後日、長期離脱がアナウンスされた。復帰時期は未定である。
みぎりは試合直後、ミミ吉原や越後しのぶ等に連れられて速攻控え室に消えた。控え室からは越後の怒号が聞こえてきたという。

桜井の7番勝負は最悪の形で幕を閉じた。
特に終盤の3試合は精神的にも立ち直れないほどの大惨敗である。一度崩れると立て直しが効かないレスラー、という評価が定着するのもやむなしか。
時折垣間見せるセンスは素晴らしいだけにこのまま埋もれさせるのは惜しいのだが、何かを変えなければ生き残っていけないのではなかろうか。
7番勝負の戦績は2勝5敗。寂しい数字である。

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